私がこの家に出会ったのは19年前この地に引っ越して来た時でしたが、当時は物置状態であり、ましてやお店にしようとは思いもよらない事でしたが、サラリーマンをやめて自営業(飲食業)をやろうと決意したときに、この旧家が自宅の前にありました。
1999年に建築デザイナーの高野氏の協力を得て、古民家でありながら、モダンさをかもし、モダンでありながら懐かしい思いになれる…そんな風景をコンセプトにアイデアを出し合って改装しました。
もともと開口部ではなかったところにも窓をつけてせん栽を借景し、床下を切り落として檜の無垢の床にし、和風の家に靴を履いたまま入るという、いくつかのサプライズな仕様にしました。玄関のタイル・カウンターの煉瓦は西洋からの輸入品です。
改装の間、私は京都の料理店に修行に行き、調理師免許も取得。食材は熊本にこだわった馬刺しや馬肉料理とおふくろの味を勉強しました。試食会を重ね、盛り付けなどもアドバイスをいただいて、まだまだ勉強ですが日々精進しています。
幾多の出会いと偶然と努力が現在の百年邑という形に結晶していると思っています。そこで得た貴重な経験を生かしながらこれからまた、前進していく百年邑です。